top of page

ここにいた証し


ree


今回は 最近、家族写真を撮った時に感じたお話。 以前より別の仕事で関わりがあった方から

….以前から、しおりさんの写真には、

血が通っているというか写っている方が

リラックス&イキイキしていて素敵だなあと思っておりました。

と、家族写真のご依頼をいただきました。

ご夫婦と、数年前に家族の一員になった 可愛いわんこちゃんの2人と1匹の家族写真。 はじめは緑のきれいな場所で家族写真をという依頼でしたが、 途中、希望があって、 「何気ない瞬間を残したい」 と、ご自宅での撮影に切り替えました。 その撮影中に今回どうしても撮影日誌として 残しておきたいなーという想いが湧いてきた瞬間が。

それは依頼主さんが発した 撮影中の何気ないひとことでした。

___

家族写真の合間に わんこちゃんのショットも頼まれる中、 「この場所によくいるんです」 「このおもちゃでよく遊ぶんです」 という言葉とともに、 その姿を撮って欲しいとの言葉。 その言葉の後に依頼主さんからは こんな言葉が続きました。 「ここにいたってことを残したい」


ree

_______ 犬の寿命は個体差がありますが、 平均が12〜15年と言われています。

もちろん、 人間自身が先に亡くなることも なきにしもあらずですが、 それでも、可能性としては、 犬の方が早く亡くなる方が高いことは予想されていて。

その中で、 じゃあどうやって限られた日々を過ごすのか。 大切な時間をとどめるのか。

人間も動物も 誰しも何が起こるかわかりません。

あの時こうしたらよかった。 は、誰でも一緒。

そして、写真も一緒。

あの時撮っておいたらよかった。

なんて、 誰でも経験したことあるんじゃないかと。

私自身も、 以前実家で飼っていた可愛い可愛い愛犬の 死際には間に合いませんでした。

片道2時間半以上の距離、 けどほんのもう少し 早く家を出ることができたら、と後悔は尽きません。

今くらい撮影ができるようになってたら もっともっと生きている時を切り取れるような 写真を残せておけたのに、なんて。 あれから10年が経とうとしている今でもなお いろんな感情が押し寄せてきます。

いまだにまだ思い返すだけで涙が溢れてきます。

だけど、確かにそこにいた。

画質はお世辞にも良いとは言えないけれど、 当時使っていたデジカメや携帯で映した 何気ない写真はたくさん残っていて 当時映したかわいい姿は額に入れて、 今でもお骨と一緒に実家では飾られています。

あの時はもう戻らないけど、 あの時があったから今また頑張ろうと思える。


愛犬と過ごした日々は、 私の成長を気づかせてくれ、 まだまだ涙は溢れるけれど 今もなお、あの時の優しい気持ちと 愛犬の分まで頑張ろう!という立ち上がる勇気をくれています。

なので、 依頼主さんの言葉にすごく感銘したんです。 大好きな家族がこの場所にいた時間をのこす


ree

ここにいた証しをのこす。 この感情を、温もりを、 その一瞬を思い返せるように。 自分が撮るのだけではなく、 そこには自分も映った写真ものこす。 誰よりも愛した証し。 愛犬が飼い主をみるその眼差しは格別です。 これからもたくさんたくさんのこしてほしい。 そう思うのです。


_______ 最後に、 リードをつけて、 いつもの日課のお散歩へ。


「リードをつけるところも撮ってもらっていいですか?」


ree

「この散歩している道も残してほしい」


ree

その瞬間、瞬間 依頼主さんが残しておきたい時間を ひとつずつ写真におさめさせてもらいました。

_______


家族と過ごす時間は 当たり前のようで、当たり前じゃない。

実に尊くて、大切な時間とわかっているからこそ、 その瞬間を撮らせてもらうことができることは 本当にありがたいことだと思います。


個人的にも、 とても嬉しく、 また大切にしたい時間となりました。


ree

 
 
 

コメント


この投稿へのコメントは利用できなくなりました。詳細はサイト所有者にお問い合わせください。

© 2021 Shiori Hatakenaka  All Rights Reserved.

bottom of page